保育

京都の保育士パートの求人事情について

歴史的建造物が多く立ち並ぶ都、京都は連日多くの観光客で賑わっています。ゆったりとした雰囲気が流れているものの、働いている人は職人気質の人が多く、食においても物においても作られているものは一流のものばかりです。そんな京都では現在待機児童における深刻な悩みを抱えています。

京都の待機児度数は0!?

機児童数約1400人という大阪に対し、京都は待機児童数0という数字を掲げています。これは目標ではなく現在の実績です。同じ関西圏でもこれほどまでに差ができるのかと不思議なものですが、実はこの待機児童数0というのは正しい数字ではありません。保育園に入れずやむを得ず育児休業期間を延ばす人、もしくは退職を願い出る人はたくさんいます。中には保育園がどうしても無理だったので幼稚園に入れたという家庭もあります。なぜこのような実態があるにもかかわらず待機児童数0という集計結果が出ているのかは定かではありませんが、これでは正確な保育園事情はおろか、保育士として働く人の参考資料にもなりません。

結論で言えば待機児童数は0ではありません。しかし大阪ほど待機児童数が多いわけではないというのも事実です。子どもを預ける場所がないから仕事を辞めなければならないというような家庭を少しでも減らすためにも、市は様々な政策を行っています。

京都市保育士宿舎借り上げ支援事業

人材不足を解消するためには少しでも保育士の待遇を良くし、保育に携わる仕事に魅力を持ってもらうことが大切です。そこで実施された政策が保育士宿舎借り上げ支援事業です。市内の民営保育園及び認定こども園を設置及運営する事業者に対し、保育園等に勤務する遠隔地出身の常勤保育士の家賃等の宿舎借り上げ費用を支援するという内容です。つまり住宅手当が出るような感覚です。住みよい環境を整えることで他県ではなく京都で保育の仕事をしてもらおうという狙いがあります。しかしこれは常勤保育士なので保育士パートなどの非常勤スタッフには該当しないという特徴があります。

昼間里親制度

次にこの地域独自の事業として昼間里親制度というものがあります。保護者が就労や病気などにより家庭で保育することができないという場合、本来は保育園に預けるのが一般的なのですがそれが無理だという場合には経験豊富な里親が保育を請け負ってくれます。保育園のように団体の面倒を見るわけではないので1人1人に愛情を持って保育をしてくれるというメリットがあります。このように保育士にとってメリットを感じることができる政策はもちろんのこと、子どもを預けていることを考えている家庭においても魅力的な制度を少しずつではありますが実践することができるようにと動きを見せています。

保育士不足は深刻化

そんな京都の保育士求人の状況はというと、園の数よりも保育士の数の方が深刻化している。保育に関するニーズに応じて毎年のように新しい保育園を新設しているものの、それに保育士が集まってくれないというのが現状です。どれくらい不足しているのかというと、有効求人倍率が約1.6倍程度もあるというデータがあります。全国平均が2.34倍なのでそれよりは下回っているものの、他の産業に比べれば圧倒的に高い傾向にあります。市のサポートセンターの記録としては、保育士の求人数が430人をこえているにもかかわらずそれに対する求職者が110人程度だったというデータが残っています。待機児童をなくすためにと保育園を増設しても、そこで働いてくれる保育士がいなければ意味がないのです。なぜこんなにも保育士が集まらないのか、その原因として考えられるのは待遇面、京都という地に定住する難しさなどがあげられます。こういった問題を解消しなければ保育士の求職者は集まらないと考え、様々な改善を試みています。

人手が足りていないのは一目瞭然です。それを補うためにも必要とされているのが保育士パートです。短時間あるいは期間限定で働くことを希望するという人であっても、保育の現場で働いてくれるのならばと積極的に採用をしている保育園がたくさんあります。またパートだけではなく派遣でも多く取り扱われており、時給も1000円をこえるところが多いという好待遇です。短時間だけれどしっかり働きたいという人や、正社員並みに稼ぎたいという人にとってはうってつけの求人だと言っても良いでしょう。

保育の現場で働きたいという希望があるのであれば、保育士不足に悩んでいるこの地は非常に良い環境だと言えるでしょう。手厚く歓迎してもらうことができるため正社員はもちろんのこと、有資格者ではないパートであっても働き口が比較的早く見つかります。日本情緒溢れるこの地では日本の文化や歴史に触れながら子どもたちを保育することができますし、自分自身も落ち着いた気持ちで暮らし働くことができます。保育士としての待遇だけではなくやりがいを感じることができるという面でも非常に魅力的だと言っても良いでしょう。

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