保育

学童保育の仕事を通じて身に着くスキルや経験

学童保育での仕事は、子どもと遊ぶのが好きだという人であれば誰しもが憧れる仕事となります。しかし、いざ働いてみると、子どもが好きだけでは到底務まらない事情も出てくることになります。もちろん、それはあまりにいいところばかりを見ていたということであり、現実と理想は全く違うことを意味します。学童保育の仕事を通じ、そんな現実と理想の差を痛感することができます。そして、ここでの経験は子どもを扱う仕事をするにあたって、スキルを磨くことにもつながっていきます。では、どのようなスキルや経験をしていくことができるのか、そのあたりのことを知っておきたいところです。

学童保育の指導員

そもそも学童保育は小学校の放課後や夏休みなどの長期休暇中、母子家庭や父子家庭、もしくは共働き家庭の子どもなどを預かり、そこで宿題をしたり、遊んだりする場所であり、そこで働く人を指導員と呼ぶことになります。この指導員は常に募集されているところもあれば、なかなか求人が出てこないところもあります。指導員の仕事は、いわば子どもの面倒をみること全般となります。宿題を見てあげることや子どもに出すおやつを出すなど、子どもにかなり接することのできる仕事であることがわかります。そして、親が安心して働くことができるよう、そうしたサポートをすることが可能です。

子どもの本質を学ぶ

ここで学ぶことができるのは、子どもの本質です。子どもはいずれ大人に成長しますが、その精神状態は実に様々です。親に甘えるように指導員に甘えようとする子どもや、親からの干渉に反発する子ども、お客様は神様という認識で指導員と接する子どもなど実に多種多様です。もちろん、子どもらしい子どもというのもいますが、大人であればそれが愛想笑いである、雰囲気として怒っているなどのことが分かるものの、意外と子どもはわかりません。良かれと思ってしたことが逆効果に終わることも多々あります。気が抜けない怖さという点では学童保育の仕事で数多くのものを得ることが可能です。

指導員から学ぶ

指導員同士のコミュニケーションという意味でも貴重な経験ができます。こうした指導員は子育てを終えた主婦の人や定年退職をした男性、はたまた将来的には保育士を目指す女性など幅広い年代の人が働いていることがあります。すると、子どもとの接し方に慣れている人、そうでない人が出てきます。そこでの指導はすべてが正しいわけではないものの、理想的な接し方をする若い人と、現実的にこうせざるを得ないという接し方をする中高年というような感じになり、参考になること、反面教師として学べることなどがあります。こうした経験は学童保育ならではと言えます。

保護者の存在

スキルに関しても、こうした幅広い年齢層の人と仕事ができ、折衝がうまくなるというのがある一方、やはり保護者との会話ができるようになるというのがあります。子どもと接する仕事をする以上、保護者の存在は非常に重要です。子どもからの評判が仮によかったとしても、例えばその接し方に気持ち悪さを感じられてしまったら、取り返しがつかず、子どもから人気はあっても親からの人気は最悪ということになります。これが、子どもからの人気は最悪で親からの人気はウナギ登りであれば、まだなんとかなります。それだけ親の評判というのは大事になっていきます。

人間力のスキルアップ

指導員1人で多くの子どもをカバーするという状況は、なかなか最初のうちは慣れないものです。プレッシャーもあるため、慌ててしまうことが多く、また人見知りの子どもと接することもストレスになりやすく、挫折することが多いのがほとんどです。しかし、この経験を学童保育のところで学ぶことができるのは貴重な体験です。例えば、保育士などの仕事をはじめ、最初にそれをやってしまうと、自信が喪失し、立ち直るまでに結構な時間がかかり、不運が重なれば保育士をしたくなくなる可能性もあります。それをある程度前倒ししてできるというのは貴重な体験と言えます。

スキルを磨くことは可能であり、子どもとの距離感や親御さんとの会話、同僚とのコミュニケーションなど様々なことのキャパシティが広がっていきます。歌が歌える、絵が描ける、ピアノが弾けるというのももちろんスキルではありますが、子どもとの仕事で求められるスキルは、その人の人間力、人としての信頼をいかに構築するかに関連したものです。人としての温かみはだれしもありますが、いかにしてそれをストレートに表現をしていくかというのも大事なことであり、これがなかなか若いうちはできません。

理想と現実というのはあるにせよ、そのどちらも知りつつ、できるだけ理想的な対応をとっていくことを心掛ければ、多くの子ども、親、そして同僚から信頼される人になっていきます。こうした体験は本格的に働き始める前に、バイトなどでしておくことがおすすめです。また、多くの経験を重ねることで場数を踏むことができ、落ち着いた仕事が可能となります。

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