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秋田の保育士パートの求人事情について

安倍総理が提唱・導入した経済政策アベノミクスによって日本の経済は好景気に突入し、全国的に有効求人倍率が改善されている状況です。労働のマーケットはバブル期並みに改善されてきていると言っても過言ではありません。全国的にも慢性的な労働力供給不足に陥っており、特定の業界の人手不足は社会問題の域に達しています。介護業界、建設業界、そして保育業界における人材不足は非常に問題となってきているといえ業界の存続が懸念されるということにもなりかねません。秋田のような都市部から遠く離れた地域においてもアベノミクス効果により確実に有効求人倍率は改善されていて、企業の採用担当者は欲しい人材を確保するのに頭を抱えているような状況にあります。

秋田県における幼稚園、保育園、こども園の人員不足は他の地域同様に結構深刻な状況になっており、預かっている子どもの人数に対して必要な保育士を確保できているかと言われれば、どうもそうではないような状況にあるようです。

秋田に長年住んでいる人からお話を伺うことができましたので、ご紹介させていただきます。

新卒の保育士は、パートや臨時職員でのスタートが多い

秋田に長年住んでいる私ですから、秋田県の少子高齢化は他県に比べてより進んでいる状態であることはもちろん理解しています。そのような状況ですから、保育士争奪戦ではないですがより良い条件にて働いてもらおうとして労働条件がよくなってきている、そのような印象があるのです。実は私の子どもが保育士志望でして来年から岩手県の短大に進学するということで準備を進めているのですが、その短大のオープンキャンパスに参加した時に就職関連の責任者はこのようなことを言っていました。短大を卒業して保育士の就職口は100%あると思ってよい、そして就職する場合、首都圏も含めた大都市圏においては初めから正規職員としての採用が多く、秋田、山形、岩手等のいわゆる田舎での採用は、ほとんどの場合が保育士パートあるいは臨時職員からのスタートになるのが一般的だということでした。首都圏では待機児童の問題もあり、最初から正規職員としての採用にしないと人材確保がままならない、逆に地方に於いては経営母体の学校法人、社会福祉法人の個別の財務状態もあり当初はパートとして採用しているのではないかとのこと、ただし人材確保を奨励して補助金を出すようになってきていることから、このパート採用という慣行も早晩解決されていくものと認識しているということでした。まさに保育にかかわる風向きはアゲインストではなく、むしろフォローの風が吹いているのではないか、このように認識させられたのでした。

3~4年ぐらいで正規職員に転換

秋田県も含め、保育士パートのマーケットは相応にあるということを奇しくも短大の保育士育成にかかわるプロの方からのコメントとしていただいたことは、これから進学し保育士を生涯の生業として考えている娘にとってはとてもプラスになる、いいお話しだったと記憶しています。保育士パートから出発したとしても3~4年頑張れば、正規職員に転換してくれることも、確度の高いキャリア形成になっているというお話にも勇気づけられました。どんな職業についたとしても3~4年は見習い期間だと思って頑張らなければならない。転勤がある商売であれば最初の2~3年は新入社員として丁稚奉公し、2か所目に異動した時から真価を問われる等ということはよくある話です。保育士の場合は転勤等ということはあまりないとは思うのですが、やはり2~3年を1サイクルとして一人前になっていくというプロセスを踏むという考えでよいのだと思います。

ハローワークインターネットサービス

ハローワークインターネットサービスというサービスが全国的に提供されておりまして、地元のハローワークに出されている求人情報をネット上で確認することができるのですが、県内における保育士パートの求人は非常に多く掲載されています。新人での採用もさることながら、以前保育士の経験があり、結婚・子育てで一時離職していた主婦層をターゲットにして保育士パートでの復帰を促すような求人も多くなっています。結構な件数を検索してみたのですが、ほとんどの求人が、雇用期間の定めがない契約を結ぶことを前提にしているようでした。つまり常用パートのような形態で頑張ってもらおうというスタイルなのです。これは新人同様に、3~4年頑張ることにより所属する保育園・幼稚園での評価がついてくれば正職員への道が開けることを意味しているといってよいでしょう。同じパートの職種でも、製造業のパートや期間従業員、契約社員の場合は、契約更新は不景気になればまず考えられないでしょうし、運よく契約更新があったとしても正規従業員に昇格できることはまずないことでしょうから、待遇の良さが出ているような気がします。

少子高齢化ではあっても保育関連の人員は不足であるというトレンドはこれからも続きそうです。地域に必要であって重宝され、人々から喜ばれる、尊敬される仕事として間違いがありません。地元において保育士を職業として選択し頑張っていくことはとても良い選択だと私は考えます。

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