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沖縄の保育士パートの求人事情について

沖縄県は保育の担い手を強く必要としている県です。2017年4月において、沖縄県内の待機児童数は、東京に次いで2番目に多い2257人を記録しました。これは東京都近郊の県よりも多い数字です。

待機児童数がここまで大きく膨れ上がった理由はさまざまなことがあげられます。まず、沖縄県が米軍の占領地であったため保育施設などの準備が遅くなったことがあげられます。さらに、県の傾向として年収金額が全国の平均に比べて低いことから、共働き世帯が多いことも理由といえます。加えて、沖縄は女性が稼ぎ手となることに対し、あまり抵抗がないと言われています。そのうえで、出生率は全国平均を上回っています。子どもはたくさんいるけれども、保育施設も、保育の担い手がいない。これが沖縄県の保育問題です。

県ももちろんこの問題を大きく受け止めています。県内の都市部では早速保育施設の増設や保育士の採用に力を入れ始めました。保育士パートももちろん保育の担い手として考えられており、都市部において非常にニーズが高まっています。

「保育士保育所・総合支援センター」

保育士の人材確保としては、「保育士保育所・総合支援センター」が県によって創設され、現在も活発に活動しています。この施設の特徴は、県在住の保育士を目指す学生にも開かれていることです。ポスターやインターネットを通じて、保育士になるための就学支援制度があることをアピールし、保育士を目指す人員を増やすアプローチをしています。現在、保育士の仕事に就いている人たちが互いに悩みを相談したりできる保育士カフェがあるのも特徴です。男性の保育士の採用も積極的に行われている中、カフェでは主に女性の職場で働く男性の悩みや相談などを受け付けるなど、情報交換の場所としても利用できます。保育士の求人情報を県全体から検索できるシステムも整えられており、保育士の資格保有者が登録すると希望のお仕事をあっせんしてくれるなど、就職支援も行われています。

それでも保育士不足はまだ解消しません。県内の都市部の場合は、保育士の求人や保育士パート求人も増えていますが、都市部を離れた田舎のほうでは保育施設や、保育士が不足しています。都市部以外の郊外の子どもは、ほとんどが地域の小学校に併設された保育部に1年間だけ通い、その後そのまま小学校に進んでいます。園自体がまだ地方には普及していないのが現状です。保育士パートを県の郊外で希望する場合は、柔軟な対応が求められるでしょう。

保育士パートの平均時給は、854円

沖縄県の保育士パートの平均時給は、854円という結果が出ています。これは全国平均を下回る金額です。正規の保育士でも月収は約15万円ほどという設定がほとんどであり、県の保育士保育所・総合支援センターが中心となって処遇改善をうったえている最中です。

そんな中、保育士パートとして県で働きたいと希望するのであれば、県内の都市部で求人を探すことが最善でしょう。県にも大手の保育企業が進出しており、都市部の場合は大きい保育園を構えているケースも見られます。そういった場所では平均時給よりも高額な収入も期待できます。もちろん子育て支援センターや、学童保育施設など公立の施設の求人数も多く、必ずしも保育園に限らないで探すほうが自分の条件にあったお仕事ができるでしょう。

また、求人の中には新規開設予定園のオープニングスタッフもあります。しかし、保育士を確保するために資格必須と規定しているパターンがあります。県には保育士資格取得の支援もあるので、保育士パートの中でもなるべく好条件のものを探したいのであれば、資格があったほうが有利といえるでしょう。

保育士の人材育成は積極的

現在、県は保育士の確保と同時に、保育士の管理者となる人材の育成も考えています。2017年には保育士等のキャリアアップ研修を実施することを告示し、保育企業などに研修プランを委託する予定となっています。急ピッチで保育の人材を増やそうとしている活動があるため、パートとして保育に携わることは非常に喜ばれることでしょう。もし仕事を続けていくことで、さらなるキャリアを積みたいと考えた場合は、早めに園や支援センターに相談しましょう。保育の力はニーズが高いので、どこででも求められています。県では、保育士の園への定着率を高めるために、正規雇用の保育士の人材も募集しています。なかなか正規雇用の保育士が集まらない中、パートでの保育は貴重な戦力となります。

那覇市や宜野湾市では、地域の子育て支援員の増員も決定し、研修を実施して不足した子育ての人材を補う計画もあります。保育の仕事を行うのはほとんどが女性で、主婦層である30代~40代が多数を占めますが、地域の子育て支援員は高齢者の年齢であっても積極的に子育てに携わる人を募集しています。保育士のパートとしてこういった地域の子育て支援に携わることも考えられます。力が必要とされている場合は、自分の希望と比較、検討し参加するかどうかを決めましょう。

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