近年では少子化で子どもの数が減少しているにも関わらず、保育園の不足がかなり深刻になっています。その原因は様々なものが考えられますが、主なものとして保育園の数自体が不足していることや、低賃金で重労働であるなど働きやすい環境がまだまだ整っていないことなどが挙げられます。そして、それらは必然的に保育士の不足に繋がり、しっかりとした対策や政策を打ち出さなければ、今後さらにこの問題は深刻化していくことと懸念されています。
そこで、保育の現場や現状を少しでも多くの人に知ってもらうために、正社員の数のみならず、アルバイトも積極的に採用しやすい環境が整えられつつあります。これがもっと広まることにより、いきなり保育士を目指すのはなかなか決断できなくても、初めは見習いとして現場を体験することで、将来の進路に悩んでいる人たちの参考になりつつ、将来の保育の現場を少しでも明るくさせることが期待できます。では、主にどのような人たちが、保育士のアルバイトに向いているのでしょうか。
子どものお世話をしたい人
まずは、先述した通り保育の現場、あるいは幼児や児童の教育やお世話などに関わる仕事をしたいと考えている人が挙げられます。現在の低賃金で重労働の環境では、単に子どもが好きだからという理由だけで安易に決断してはなりません。実際に、夢だけで保育の現場に飛び込んだ多くの人が、やりがいを感じつつも生活のことを考えると厳しいという現状に立たされています。そのため、最初はアルバイトを通じて少しでも保育の現場を体験し、雰囲気を掴んでおくと効果的です。また、実際に働いている人のリアルな話も聞くことができるため、自身の進路に関してかなり有意義な情報を得ることができます。
生活を支えるために仕事をしたい人
次に、定職ではなくパートとして、生活を支えるために仕事をしたい人が挙げられます。正式な保育士として働くためには国家資格を取得する必要がありますが、あくまでスタッフとして補助やサポートを行うに過ぎない場合には、国家資格を必要としないことが多いです。正社員として雇われているわけではないため、ある程度は時間の融通を利かせることができるため、出来るだけ小さい負担で働くことが可能となります。雇う側の保育園も人手不足を少しでも解消したいと考えているため、よほどの条件をつけたり、やる気が感じられなかったりしない限りは採用されることが多いです。もちろん、社会で働いている身であることには変わりないため、アルバイトでもそれなりに責任を持って働くことが前提となります。
子育てをしている人、将来子どもを持とうとしている人
将来は子どもを持とうとしている人や、現に子育てをしている人なども、保育士のアルバイトが向いている場合があります。保育の現場というのは、ある意味では子育てや子守りの代理を担う場所であり、そこで働く人々は、少なからずそれらのプロと同等の知識や経験を有していることになります。そのため、将来子育てをすることが決まっている人、あるいは現に子育てをしている人などは、保育の現場でのサポートを通じて、自身の子育てにも役立てることが可能となります。これは現場でないとなかなか体験できないものなので、働くことを通じて貴重な体験をすることが出来るでしょう。
将来やりたいことが決まっていない人
特に将来やりたいことがない人なども、一部の人は保育の現場で仕事を体験することに向いている可能性があります。実際に保育の現場で働く人の中には、小さい頃から特に子どもが好きというわけでもなく、教育や子守りなどをすることに関心があったわけではないという人も少なくありません。このような人たちの多くは、インターンシップで保育園の仕事を体験してみたり、テレビなどのメディアで保育園での仕事の特集を見て興味がわいたりなど、急に保育の現場での仕事を進路に考える場合があります。そのため、現時点で特にやりたいことや関心がある職業が無いという人は、様々な職業体験の中に保育の現場の体験を入れておくことで、急に関心を持つきっかけになり得ます。また、先述した通り現在では深刻な人手不足であるため、今後は徐々に働く環境が改善されることも期待できます。アルバイトによって少しでも保育の現場の環境や雰囲気を体験しておけば、少なからず進路決定の参考に役立つでしょう。
保育士の仕事は、たとえ国家資格を取得したとしても、すぐに一人前の仕事が出来るわけではありません。勉強や実習によって最低限の知識や経験を積むことも大切ですが、それよりも現場での経験が非常に重要となります。プロとして働く人々がこれであるため、責任の相違はあるものの、バイトとして補助やサポートを行う人も、最低限の知識や経験を身に付けていく義務があるといえます。その適正を調べるための1つとして、自身が保育の現場でのバイトに向いているか否かを確かめる方法があります。したがって、先述してきたような人々に当てはまる人はもちろん、少しでも保育の現場に関心や興味がある人は、是非積極的にバイトなどで現場を体験してみましょう。