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熊本の保育士パートの求人事情について

2017年の調査によると、熊本県では905人の待機児童を記録しています。この数字からもわかる通り、県には保育施設が不足しており、保育士が少ない状況です。

県は2016年に大きな地震の被害に見舞われました。その際、子どもたちは近隣の県の保育園や幼稚園に一時的に入園するなどをして対処しました。行政も復興に忙しく、県内の保育園の増設や、保育士確保までは手が回らないのが実情です。

しかし県は震災の被害に遭う前には、保育士確保などの取り組みを行っていました。まず行われたのは熊本県子育て支援員を増やすことです。これは、保育の資格を持っていたり、すでに保育の施設で勤務をしている、あるいは近い将来保育園での勤務を希望している人材に対しては「地域保育コース」という、保育士としてのスキル向上の研修を実施しました。未経験者にはこのサービスに地域の人をつなげるための「利用者支援事業」のための研修が行われました。この試みは現在も継続して行われ、地域ぐるみで子どもを育てていこうという県の努力がわかります。

無利子貸し付け制度、「保育士修学資金貸付」

保育士の新規資格修得者を増やすためにも、保育を学ぶ学生や職場復帰を考えている潜在保育士に向けて「保育士修学資金貸付」のプランが案内されています。これは、保育士の修学のための費用を県が無利子で貸し付けを行う制度です。しかし、もし保育士の資格を取得して1年以内に保育施設に就職し、5年保育のお仕事を続けることとなった場合は、全額返金免除となります。また、都市部ではなく過疎地などで保育の仕事を行った場合は3年で全額返金免除となるという制度で、熊本県全体に保育士が行きわたるように工夫もされている制度です。

県もさまざまな子育て支援サービスを実施することで、保育士や保育士パートの働きの場所を増やしています。熊本市、八代市、荒尾市などで実施されているサービスには、子どもの一時預かりのものがあります。保護者が病気などのため、子どもの世話ができないときに県や市に依頼すると、ショートステイとして規定の施設で預かりをしてくれます。さらに急な仕事の残業で子どもを迎えにいけない等の場合には、トワイライトステイという夜9時半まで規定施設で食事を与えてくれたり、保護してくれるサービスも実施中です。

こういったサービスを実施している保育園や、公的施設では保育士パートの求人がよく出ています。県における保育士の平均時給は952円といわれており、正規の保育士であっても平均月収は16.9万円ほどといわれています。さらに県においてはパートの場合であっても、保育士の資格所有者でなければ採用しないケースが多いのです。

もし保育士パートを探すのであれば、都市部で保育士補助やアミューズメント施設での託児スタッフ、機会に恵まれることができれば、学童保育スタッフや子育て支援センターの補助員などが求人として出ています。資格がない場合はあくまでサブポジションの役割を狙っていくのがよいでしょう。

保育士求人は、「熊本県福祉人材・研修センター」で探すのがおすすめ

保育士の資格を持っている場合は、「熊本県福祉人材・研修センター」で保育士の登録を行いましょう。保育士再就職支援コーディネーターがあなたの希望とマッチする求人案件を探してくれます。熊本県には、まだ保育士に特化した人材バンクがなく、全て福祉人材・研修センターがその役割を担っています。

都市部においては保育士パートの求人が増えており、週1日から勤務可能というケースも見られます。ここで気をつけたいのは、県内は都心などのように、交通網が整備されていないことです。移動はほとんど自家用車となり、園の求人情報にも、駐車場の有無が必ず記載されています。電車やバスで通園できるところだけに保育施設があるわけではありません。自家用車は働く際の必須アイテムとして考えておいたほうがよいでしょう。

保育士パートが必要とされる部分は、早朝や夜間などの保育スタッフが多い傾向にあります。生活リズムも関係するので、一概には言えませんが、もしパートで収入をアップさせたいのであれば、こういった人員が少ない時間に対応できることが最善手といえます。

県内の宇土市では、子どもの延長保育、一時預かりや休日保育も市のサービスとして実施しています。こういった時間外のサービスや休日、祝日など通常の保育士ができない部分をパートが補うことができれば、保育のあり方としてもよいものでしょう。

県は保育園に対し保育補助者雇用費貸付を行うことを決定しています。これは、保育士の定着のため、補助作業を行うパート人員を増やす際の資金を、県が貸付してくれるという制度です。目的は保育士の定着ですが、保育士パートにとっても働き口が増えるので、雇用側の保育園にはぜひ利用してもらいたい制度です。

他にも、県内の八代市ではファミリーサポート事業に乗り出し、地域ネットワークを活用した子育てを提案しています。どこの都市部も保育士や施設が不足していますが、急に保育士が増加することは難しいので、独自の取り組みを実施し子育て施策を打ち出しています。

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