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英語で保育って?

最近、保育園や幼稚園で英語で保育をすることを謳っているところが増えてきましたが、どのように行うのでしょうか。元々はインターナショナルスクールなどで、ネイティブの先生から日常会話などを英語で話しかけてもらうことで、自然と耳が慣れて話せるようになるということから人気が出ました。インターナショナルスクールは受け入れる枠も少ないだけでなく、日本語を話せない環境に入れることに抵抗を持つ保護者も多かったです。そこで、最近は幼稚園などでもこのような形態をまねするところが出てきました。

英語の時間にバイリンガルやネイティブの先生を読んで、手遊びや歌を歌うということは今までも行われてきました。この方法も触れ合う時間を作ることができるのですが、時間が限られていて、話す内容も色や食べ物といったものに偏りがちでした。外国の先生と直接触れ合うことで、とまどうことなく話しかけられるというメリットはあります。けれども、どうしても使う会話内容が限られてきてしまい、いざ自分が話したいことを話すことができないという面があり、習い事の一環のようになっているところも多いです。

1日中、日本語を使わず過ごす

遊ぶときはもちろん、食べる時や、ダンスをする際にも日本語は使用しません。このように書くと、日本語しか話せないのに子どもは大丈夫かと思うかもしれません。けれども、子どもは大人と異なり、自分が知らないものへの抵抗が少ないです。大人であれば、日本語でないと分かった時点で聞くのを諦めてしまうことがありますが、子どもの場合、日本語の中にも知らない言葉がたくさんあるので、それほど抵抗なく受け入れることができます。走る、歩くと言った動きと一緒に話すことで、どの動きがどの言葉なのかということを察する能力も身に付きます。

そして、分からないことは効くことができるという点が最大のメリットです。週に1回だけやってくる先生よりも、毎日ずっと一緒にいてくれる先生の方が子どもは話しかけやすいでしょう。先生も子ども相手ですので、ゆっくりと話しかけてくれ、分からないことは繰り返し教えてくれます。語学を学ぶ上で、繰り返すということは非常に大切なことです。毎日の生活の中で繰り返すことで、少しずつ新しい言葉が定着していきます。

日常的に使う言葉は限られている

実はどの言語でも、日常的に使う言葉というのは限られてきます。難しい言葉ばかりを使うのではなく、日頃話しているのは基本的な言葉だけで十分分かるでしょう。もちろん、専門的な仕事につけば、専門の単語を知り、言い回しを覚えなければいけませんが、日常生活においては使う機会のない言葉ばかりです。日本語での生活の中でも、自分がどのような言葉を話しているかを考えれば、ある程度決まった言葉を使っていることが分かります。

これは、英語にも同じことが言えます。保育の間に、先生が使う言葉は限られています。体操やダンスでは、動きを説明するための言葉や、工作をするときには色や形といった言葉を使うようになります。日常的に使う言葉の中から、子どもはどんどん吸収していきます。最初は、自分から話すということは難しいでしょう。まずは聞いてから言葉を理解して、その後に話すというステップが必要だからです。もちろん、聞いて話せるようになったからといって、すぐに読んで書けるようになるわけではありません。日本語でも同じように、言葉を覚えた赤ちゃんの頃から、幼児になるとひらがなを読むようになり、だんだんと言葉を書くようになっていくという流れで成長していきます。どの言語もこの流れは変わりません。

外国コンプレックスがなくなる

日本人というのは、外国の人に対して気おくれしてしまったり、コンプレックスを感じてしまうということがあります。けれども、英語保育の中で先生と触れ合っていると、このようなコンプレックスがなくなり、自然に受け入れられるようになります。子どものうちにこのような土壌が用意されていると、大きくなってからも積極的に話しかけられるというメリットがあります。子どもというのは、とても耳が良く、大人になってからでは聞き分けることができない、RとLの違いなどもきちんと理解することができます。

子どもである期間というのは、長いように感じますが、実はとても短いです。9歳までに異なる言語の波長を耳にしているかどうかによって、大人になってから聞き取ることができる波長が変わることも分かっています。子どものうちに、日本語だけではない環境におくことで、その子の可能性は大きく飛躍するでしょう。保育の中でそれが行えるというのはとてもいいことです。

ただ、まだ小さくて心配だということもあるでしょう。その場合は、日本語で日常生活を行っていき、少しずつ変えて行くなど、園や先生によって対応は変わりますが、子どもが馴染みやすくする工夫が行われています。見学などもすることができるので、実際の様子を確認しましょう。

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