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子どもたちのあこがれ 保育士の平均年収は?

辛い仕事でも、それなりに見合った給料がもらえれば、「またがんばろう!」という労働意欲もわいてきます。

自分がどんな仕事に就いて、どのように働きたいかを考えたとき、キーポイントとなるのはやはり「やりがい」と「年収」でしょう。

保育士といえば、子ども達にとってあこがれの存在。幼い頃にお世話をしてくれた先生にあこがれて、自分も保育士になりたいと思った…という人もいるのではないでしょうか。

では、実際に保育士として働いている人がどのくらいの年収を手にしているかを、ここで紹介しましょう。

保育士の平均年収は

厚生労働省が公表している「平成27年賃金構造基本統計調査」によれば、保育士の平均年収は全国平均で約315万円(月収平均20万円ほど・別途ボーナス加算あり)です。

これは、あくまでも全国の平均値ですので、住まいの近隣で実際に保育士がどのくらいの給料を得ているかは、採用要件や役職によっても異なります。

若い保育士さんには辛い現実?年収の低さがネックに

保育士は、一定の過程を修了して得られる資格です。子どものケアやお世話、幼児保育にまつわる理論や実習を重ねて修得することが出来ます。

高校や大学の進路選択の際に、「保育士なりたい!」と進路を決めて資格の取得可能な学校や専門校を選ぶケースがほとんどでしょう。

数年掛けて勉強して資格を得、いざ就職先を探すときになって、初任給の低さに愕然としたという話も聞きます。

特に、働き始めの20代から30代前半にかけては、平均年収200万円前後という結果が同調査で出ています。資格を得たのにこの給料か…と思ってしまうのも無理はないでしょう。

(20~24才平均年収179.6万円 25~29才平均年収223.7万円)

離職率の高さは平均年収の低さが原因? 

若年層の保育士平均年収は、例えばフリーターで一日8時間、時給1000円で月24日働いた場合(8×1000円×24=192,000円)と、ほぼ変わりません。

ボーナスに対する考え方や福利厚生を含めると、定職に就いているという安心感は得られます。しかし、子どものケアや行事、保護者対応などの専門的な仕事内容を思うと、保育士の給与は低い印象があります。

就労年数と平均年収の移り変わり

長く勤めれば、職能給が加算されます。保育士の様な資格を持って、専門職として働くと、勤続年数や役職によっては給与加算が発生します。

これも、勤めている保育所やその母体企業の規模、給与体系、就業規則によって異なりますので、採用時にきちんと確認しておきましょう。

就職先保育施設の違い

保育士として働く場所は、大きく分けて公立と私立の二つがあります。公立の保育所で勤務する場合、市職員と同等の採用条件となるケースがほとんどです。

私立の場合、運営している保育種別が「保育園」「幼稚園」「認定子ども園」「無認可保育園」のどれかによって、働き方や給料システムが大きく異なります。

勤続年数が長くなれば給料も段階的に上昇しますが、年収を上げるポイントは役職でしょう。リーダー・主任など、保育士をまとめて園長や理事長との橋渡しをするポストに就くと、ベースがワンランクアップする施設が多いようです。

保育士を続けていくメリットは

保育園のニーズが高いこと、受け入れ枠が足りずに困っているママが多いことは、今や日本全体の大きな問題にまで発展しています。

これだけニーズが高いのに、資格を持っていながら保育士として働かない人が多いというのも実態として明らかになっています。働かない理由は「労働と給料が見合わない」から。特に、結婚後に保育所を退職して、出産後復職を望まずに他業種で働く人が多い傾向があります。

結婚後の女性が働きやすい環境

結婚した保育士が出産後に再び働く場合、ネックとなるのがやはり子どもの預け先です。違う業種に勤めるなら、世の中の事情と同じく保育所探しに翻弄しなければなりません。

しかし一部で、復職する保育士を子どもと一緒に受け入れるという施設や、パート時短勤務の保育士を多く採用する施設が増えています。

仕事をしながら我が子にも目配りできる安心感は、親にとって何よりの労働環境でしょう。

保育ママや一時預かりとして自治体や運営企業に保育メンバー登録をして、ニーズに応じて自宅や出張で働くというスタイルも広がり始めています。

保育士も時間給で働くという選択肢が増え、ライフステージに合わせた就労条件を選べる様になっています。

 

今の日本は少子化といわれながら、現状はその子ども達を受け入れる保育所が足りていないというミスマッチが起こっています。子育てに対する親のニーズが変わるように、保育士の働く条件も改善しようという動きも高まってきました。

子どもにしてあげたい教育や保育を満たす為に、保育施設もサービスが多様化しています。その先頭にたって働く保育士さんは、これから「やりがいと給与」の両方を得ることが出来るようなシステムやサービスに注目して就職先や転職先を探すと、好条件に巡り会えるかもしれませんね。

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