関西を代表する大阪は、それほど面積が大きくない県なのに対して人口は多く、地元民だけではなく多くの観光客でも賑わっている県です。そんな大阪の保育園事情を知るためには、まずは待機児童について把握しておく必要があります。
大阪の待機児童は平成28年では約1400人というデータが出ています。待機児童0を実現している鳥取や待機児童3人という一桁台をキープしている島根という山陰地方に比べると1000人をこえているというのは非常に大きく感じます。しかし大都市東京と比べると実はそうでもありません。実は東京の待機児童数は8000人をこえているからなのです。
地域により待機児童の数には大きな差があります。なぜ待機児童数を知っておく必要があるのか、それは保育士の求人にも関わるからです。
待機児童数と求人の関係性
待機児童が多い地域というのは早急に保育の現場を整える必要があります。新しい保育園を新設したり、リニューアルによって規模を大きくしたりなどの対策を進めます。そのためそれに付随して求人も一気に増える可能性が高いのです。新しい施設で働くというのは働き手にとっても嬉しいことですし、何よりある程度の基盤が出来上がってしまっている既存の保育園よりも、新しい保育園の方が良い待遇で雇ってもらうことができる可能性が高いのです。しかしこういったメリットの反面デメリットもあり、より戦力となる人が必要となることから有資格者、またはキャリアを持つ人を求める場合が多いという特徴があります。初めて保育に携わるという人にとっては挑戦しやすいとはいいがたいのが現状です。だからと言って諦める必要はありません。実は保育園は戦力ばかりを求めているわけではないからです。
戦力を求めて募集をかければすぐに保育士が集まるというのであれば苦労はしません。しかし現状では保育園と児童数のバランスがとれていない上に保育士の人材不足も深刻化しています。例え施設を新設して好条件を出したとしても、保育士自体がいなければ人は集まりません。そのため募集する側はある程度基準を緩めるということも視野に入れて求人を出す必要があります。そこで注目したいのが保育士パートです。
保育士として正社員で働くのであればきちんと学び、知識を身に着けることが必要です。しかしそれには若い頃から保育士を志し、そのための学校で学ばなければなりません。資格もなければ学校にも通っていないという人にとっては一から学校で学ぶというのは挑戦しがたいものです。しかしパートという立場であれば正社員の補助的な役割ができれば良いので実務で保育を学びながら働くことが可能です。資格がない、知識がないという人でも「子どもが好き」という理由で勤めることができます。しかし最低限ピアノが弾けなければならないなどの条件もあるので、パート勤務を考えている人は事前に確認をしておくことが大切です。
こういったことを考えると、待機児童という切り口で見た場合、大阪の保育園で働くというのは待遇面や環境において様々なことが期待できると考えても良いでしょう。
大阪の給与水準と環境
では実際に大阪に拠点を置いて働くと考えた場合、気になるのは給与水準と環境です。まずは給与水準ですが、全国的に見てもとても水準が高いという特徴があります。全国平均が大体323万円であるのに対し、大阪は341万円と平均を大きく上回っているのです。稼ぐことに仕事のやりがいを見出している人にとっては好都合だと言っても良いでしょう。保育士パートにおいても同様で、時給が1000円以上の保育園がほとんどなのでパートと言ってもしっかり働けば正社員並みの給料を期待することもできます。
では環境面はどうでしょう。まず言えるのは保護者とのコミュニケーションが難しいということです。保育園は園児たちの面倒を見るのがメインの仕事ですが、大切な我が子を預けている保護者の方々との付き合いも重要です。様々な心配事の相談にのってあげたり、日頃のお子様の様子をきちんと伝えて誉めてあげたりと保育士は保護者にも気を遣わなければなりません。しかし地域性も相まって、口調がキツイ人が多い傾向にあるため保護者の多くはちょっとしたことでクレームを言ってくることがあります。もちろん人にもよりますし、逆にフレンドリーに接してくれる人もたくさんいるのですが、他県の人から見れば口調がきつく感じられるのは事実です。関西の口調に慣れている人であれば何も気にすることなく働くことができるかもしれませんが、他県であまり関西弁に慣れていない人、また繊細な性格の人にとっては怒られたように感じてしまい精神的に勤めるのが難しく感じてしまいます。また保護者だけではなく同じ園で働くスタッフにおいても同様です。補助的立場にあるパートの人からすれば、指示が命令のように聞こえてしまうことも多々あります。そういったことを考えると自分は長く続けられるのかどうかということに重点を置いて考えなければなりません。